間違っている!EPA介護福祉士勉強方法

EPA介護福祉士候補者を支援しようと、介護福祉士国家試験対策講座EラーニングにEPA介護職たちも勉強しやすいようにと本腰を入れ始めました。そこでいろいろ調査したのですが、「これじゃー、フィリピン人たちは無理だわ。」との結論に達したところです。あまり批判めいたことは法人としては言いづらいので、個人的なブログとしてだらだらと書いてみます。

要件がN5に引き下げ?

EPA開始時は日本語能力はJLPT N3レベルとなっていたはずなのに、いつの間にか、フィリピンとインドネシアはN5以上というように2ランクも引き下げられていました。入国前研修6ヶ月を経てです。(ベトナムはN3のままで、しかも看護学校卒業生に限定)実際、Eラーニングを受け始めたEPAフィリピン人の一人は、来日2年目にいながら、今度N3の試験を受ける予定とのことでした。

支給されるテキストは日本人でも面白くない?

国からEPA介護福祉士候補者の試験対策学習にと支給されているテキストは、驚くことにひらがなのルビガ振られている箇所がそれほど多くないのです。小学生が読めるような漢字にはルビは不要ということでしょうか。しかしこれは、日本語能力N3をぎりぎりで(180点満点の90点超ぐらい)合格している人にとっては、読めといわれても無理です。ましてやN4やN5をなんとか合格したというフィリピン人たちにとっては、特異な文法とあわせて無機質、幾何学的模様としか映らないでしょう。各ページも白黒(グレーもありますが)のみで、どこかの役所の書類みたいです。とうてい、仕事を終えて部屋に戻り、楽しく勉強しよういうような気にはなれない代物です。

試験対策ではなく、単なる科目の勉強?

テキストが白黒のせいもありますが、合格に必要な得点率60%超を目指そうというようなメリハリがまったくなく、単に全科目を淡々と勉強しなさいというような教材ばかり。国の支援は定期的な模擬テストと動画配信(どの程度のレクチャー動画かはわかりませんが)で支援するから、本人たちは施設で1日平均1時間の勉強を担当者から教わりなさい。その後は家に帰って自宅学習をしなさいという国(委託された財団法人)からの指導が受入れの手引きというものに書かれいます。本国で日本のような試験勉強を経験したことのない外国人にとっては、「やり方を書いてあげるから、あとは自分たちで頑張りなさい」と、現場任せにしているようにしか感じられません。

第30回介護福祉士国家試験の合格率は38.4%

今年の国家試験の合格率をEPA国別にみると、フィリピン38.4%、インドネシア43.2%、ベトナム93.7%です。日本語能力N3以上と看護学校卒業が要件になっているベトナム人はさすがです。試験時間が日本人の1.5倍与えられていることを考慮してもすばらしい結果です(日本人は70%超)。それにひきかえ、日本語N5以上で大学の学科は不問(数百時間の介護研修は必要だが)のフィリピンとインドネシアは格段に低く、悪い結果となっています。

フィリピン人EPAの合格率が最悪なのは当然の結果?

母国でタガログ語と英語の2ヶ国語が公用語となっているフィリピン人にとって、3つ目の日本語を習得するというのは、母国語の1ヶ国語だけが公用語となっている他の外国人に比べ難しいのです。分かりきったことです。その上で、小学校1年生レベル(正解率50%でN5に合格した人ではほとんど幼稚園生レベル)で来日し、普通に現場シフトで働きながら、日本語と介護福祉士試験対策の2つを勉強しなければなならい。そして、日本人でも合格率70%前後の国家試験に来日4年目で合格しろというのは、かなり至難の業です。そこにきて、彼らの特性を十分に踏まえていない学習方法を押し付け、現場任せにして、いい結果がでるのでしょうか。4年目の国家試験に不合格でも、まあまあの成績を残し、本人が希望すればもう1年のチャンスが与えられるようになりましたが、実際、2回目チャレンジの合格率はさらに低い結果です。

合格率アップのポイントは、特性を理解し、学習へのモチベーションを高めること

いままでの勉強の習慣、予想以上の日本語・漢字のハードルの高さ、介護現場の仕事の大変さ、疲労などをしっかり理解し、受け止めて、指導方法を見直さなければなりません。4年間で数百万円もの負担が受入れ施設側にかかり、その上で、4年後(または5年後)の国家試験に落ち、本国へ返させられたらどうなんですか?個人的にやるせない怒りを覚えます。施設側にも同情しますが、彼らが可哀想です。

個人的なこと

外国人介護職の支援を第3のライフワークに決め、スタートを切ったことに誇りを感じます。在日フィリピン人たちの支援に始まり、これからはEPA介護福祉士候補者と外国人介護技能実習生たちの支援にも力を注ぎます。

これはあくまでも個人的な独り言、ブログです。


外国人の介護福祉士国家試験合格に向けて:留学生、EPA介護福祉士候補者、特定技能・技能実習生の支援

外国人介護職に活躍していただくために。。。

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